北海道文教大が「日本語なんでも相談室」

「どうしてうそを非難するのに『うそつくな』でなく『うそつけ』と促すの?」−。そんな疑問に答える小冊子「日本語なんでも相談室」を、道文教大(恵庭市)の外国語学部日本語コミュニケーション学科が作成した。
北海道新聞「日本語の疑問に答えます 道文教大が小冊子作成」

北海道文教大の「日本語なんでも相談室」のサイトは、http://www.do-bunkyodai.ac.jp/ を參照。

サイトにある「最近の質問」を讀んで一つ氣になる事があつた。「『悪循環』の反対語は何でしょうか? 先日、野球中継で『好循環』と使っていました。初めて聞く言葉ですし、おかしいと思いました」と云ふ質問に對する先生の答にかうある。

「悪循環」には対義語はありません。野球中継で使われた「好循環」は「悪循環」の反対の意味ではなく、ボールが一巡りする「循環」の意味で、良い連携プレー(好プレー)を形容したものではないかと推測します。

野球中繼で使ふ「好循環」とは普通、併殺のやうな連攜プレーではなく、一壘走者が際どい盗塁に成功した後、打者が四球を上手く撰んで出壘し、さらに次の打者が長打を放つと云つた「好プレーが好プレーを呼ぶ」有樣を指すのではなからうか。さうすると「事柄が互ひに關聨し合つて限りなく惡化する事」と云ふ「惡循環」の對義語として使つて良いやうな氣もして來るのだが……。(K)