會員寄稿

古賀俊昭都議の主張提案

私と國語(加藤忠郎)

私が國語問題協議會に入會したのは、未だ若かつた頃である。手許にある一番古い「國語國字」は昭和四十七年十月一日發行で第七十二號なので、その頃入會したと思はれる。結婚した翌年の二十八歳だつた。會誌に依ると此の年の五月に小汀利得名譽會長が逝去さ…

「ゐ」「ゑ」の廢棄等に關して(中井茂雄)

ソプラノ歌手の藍川由美氏は「狹霧消ゆる港江(え)の/舟に白し朝の霜/ただ水鳥の聲(こゑ)はして/いまださめず岸の家(いへ)」の歌を通して、この歌詞に含まれた「え」「ゑ」「へ」(ルビ部分)はそれぞれ異なる音であることを示された。このことに關…

國語問題協議會への<イヤミ>に反論する(高田友)

安田敏朗氏が著書「日本語學のまなざし」(三元社)の中で、「國語問題協議會」をイヤミ一杯に中傷してゐます。イヤミといふのは、安田氏が自ら「イヤミです。もちろん」と言つてゐるからです。私はヒラの會員ですので、安田氏を親の仇と付け狙ふほどの遺恨…

「垳」の廢止に關して(中井茂雄)

區劃整理が進む埼玉縣市で、日本で唯一ヶ所「垳」を用ゐた地名「垳」(がけ)(「垳町」「垳川」等に使はれてゐる)が廢止されようとしてゐる。これに對し、地名は郷土の歴史と傳統が刻まれた貴重な文化遺産であるとして、地元有志の呼び掛けにより「垳を守…

改定常用漢字表の表外漢字―字音語の交ぜ書きと部分的振仮名について―(上田 博和)

(轉載者註)原文の振假名は( )に入れて示した。かつての当用漢字表(1946年)は「漢字使用の範囲」を示したもので、「この表の漢字であらわせないことばは、別のことばにかえるか、または、かな書きにする」「ふりがなは、原則として使わない」との注意事…

日本語を整形するな(山田 弘)

6月26日の朝日新聞に面白いインタビュー記事が載つてゐた。 前日本語學會會長(國立國語研究所名譽所員/早大名譽教授)の野村雅昭氏が記者の質問に答へてゐるのである。 タイトルは、おそらく朝日新聞が付けたのだらうが、「常用漢字を増やすな 日本語が…

送假名を伴ふ漢字の訓讀みを問ふ―日本漢字能力検定と全国学力テスト―(上田 博和)      

日本漢字能力検定協会理事長親子の不祥事が話題になつてしばらくのころ、友人が都内のJR車内で見たといふ漢検の広告をメールで知らせてくれた。 「1.怒りに声をフルわせる 2.フルってご参加ください この2つの「フル」の漢字を書け」 これには笑つたが…

NHK「みんなでニホンGO!」の御用商人(理事 上田博和)

先日たまたまNHKの「みんなでニホンGO!」といふ番組を途中から見たら、「伺わさせていただく」など(所謂「さ入れ言葉」)が国会議事録にも頻出することを紹介してゐた。「伺わせていただく」とは仮名遣もをかしいし、好きな言ひ方でもないが、文法的に…

 「新常用漢字表」への追加から漏れた字

このたび文化審議會の漢字小委員會は、常用漢字表に代る「新常用漢字表」(假稱)の試案をまとめた。新表には「使用實態に合はせ」すなはち使用頻度の高いとされる百九十一字を加へ、今まで常用漢字表にあつた「銑」「錘」「勺」「匁」「脹」の五字を外すと…

 臺中、繁體字の共同學習を――「知音報」3月15日號より

第11回全國人代に參加した臺灣代表(大陸内で名目的に臺灣を代表しているとされる人々)は次のやうな提案を行つた。 兩岸(大陸と臺灣)が協力して、中國語の繁體字を世界無形遺遺產として申請し、かつ、大陸での繁體字教育を强化し、兩岸の中國人子女が共同…

 國家は國語から手を引け--白石良夫『かなづかい入門』を讀んで

木村 貴(本會評議員) 白石良夫『かなづかい入門』(平凡社新書)を讀んだ。私は國語の專門家ではないし、專門的な批判は他の方がやつてくださるだらうから、ある一點に絞つて述べたい。要するに、言語をはじめとして、自律的な發展に任せておくべき事柄に…

 中國が正體字復活へ一歩

中國語新聞「半月文摘」2007年12月12日號記事より。譯及び括弧内の註は本會評議員の山田弘氏。2007年10月末、北京において、教育部(日本の文部科学省に当たる)の言語文字研究所(原文は「語言文字研究所」)と国家漢語国際普及指導班(原文は「国家漢語国…